このような悩みを解決します。
今回は、言語聴覚士の現実と本音から「STはやめとけ」といわれる理由をまとめました。
言語聴覚士を目指しているけど調べているうちに不安になった人や、言語聴覚士の給料事情などを知りたい人に読んでほしいです。
この記事を最後まで読めば、言語聴覚士の将来性やSTの現実がわかるでしょう。
言語聴覚士はやめとけ?STはやめたほうがいいと言われる5つの理由
言語聴覚士を目指している人には、特に知っておいてほしいことがあります。
それが以下の5点で、「言語聴覚士はやめとけ」といわれている理由です。
- 給料が安い
- PTやOTと比べて需要が少ない
- 昇給・昇進がほぼない
- 業務量と責任は増える一方
- 休みがとりにくい
さらに詳しく解説します。
1.給料が安い
上記の画像は2022年1月に集計されたもので、言語聴覚士の平均年収は352万円となりました。
国税庁によると国民全体の平均年収は461万円とのことなので、大きく下回っていますね。
ちなみに理学療法士の平均年収は358万円でSTより少し多く、作業療法士は354万円でSTより少し多いです。
言語聴覚士に限らず、リハビリ職の給料は安いということがわかりますね。
2.PTやOTと比べて需要が少ない
言語聴覚士の有資格者は、全国で30,000人ほどです。
一方、理学療法士は100,000人以上で、作業療法士は70,000人ほどとされています。
これほど差がある理由は、単純な需要の違いです。
PTやOTに比べると募集そのものが少ない傾向にあります。
扱う疾患(患者数)が少なければ、言語聴覚士の数も減って当然ですよね。
リハビリ職になるなら需要が多いPTやOTの方が職に就きやすいので、言語聴覚士はやめとけといわれています。
3.昇給・昇進がほぼない
昇給・昇進がほとんどないことも言語聴覚士はやめとけといわれる理由の1つです。
昇給がほとんどないのは企業のルールもありますが、診療報酬制度の影響が大きいでしょう。
国があらかじめ予算を決めているので、医療機関としても予算を超えたリハビリ(運営)はできません。
その結果が言語聴覚士の給料にも反映されて、給料が増えないというわけです。
昇給は1年ごとに1000円増えるか増えないかというレベルなので、10年間勤めても10000万円しか昇給しないと思ってください。
昇進すれば月給が数万円上がることもありますが、役職は二人程度しかつけないので現実的ではありません。
昇給・昇進に頼らず、言語聴覚士が収入を増やす方法は、言語聴覚士の給料は上がる見込み?【収入を増やす方法5選】で詳しくまとめているので参考にしてください。
4.業務量と責任は増える一方
言語聴覚士はやめとけと言われる理由の4つ目は、業務量と責任は増える一方だからです。
言語聴覚士は給料が安く、昇給・昇進もほとんどないことはお伝えした通りですが、業務量と責任は年を重ねるごとに増えていきます。
給料はほとんど変わらないのに、業務量と責任だけはのしかかってくるなんてやってられませんよね。
このように、言語聴覚士は業務量と報酬が釣り合っていないので「やめとけ」と言われています。
5.休みがとりにくい
言語聴覚士はやめとけと言われる理由の5つ目は、休みがとりにくいからです。
実際に休めないの?というと、そういうわけではありません。
休めるといえば休めますが、休むためにすることがめんどくさくて休みにくいのです。
具体的には、
- 申し送りの作成
- 代わりに出勤する人を決める
- 上司に相談する
という3ステップを踏みます。
職場によって違うとは思いますが、筆者のいた回復期病院では上記の手順を踏まないと休めませんでした。
突発的に有休をとる時は休みにくいので、「言語聴覚士はやめとけ」と言われています。
言語聴覚士はやめとけ?現役STの退職理由トップ5【独自調べ】
前章では、「言語聴覚士はやめとけ」と言われている理由を5つご紹介しました。
ここでは、現役の言語聴覚士が退職していったときに聞いた退職理由で多かったものを5つご紹介します。
ほぼ「言語聴覚士はやめとけ」と言われる理由と同じでした。
- 給料が安い
- リハビリ以外の業務量が多い
- サービス残業が多い
- 人間関係が無理
- やりたいことができない
上から順に多かった退職理由です。
1位:給料が安い
言語聴覚士が退職する理由として1番多かったのは、給料が安いことでした。
何年たっても昇給・昇進しないなら、転職して職場を変えたほうが稼げますもんね。
ちなみに、言語聴覚士は職場を変えただけで年収が50万円ほどアップすることがあります。
求人を見て、業務量は同じなのに年収だけ高くなるようなら、転職することをおすすめします。
2位:リハビリ以外の業務量が多い
言語聴覚士が退職する理由として2番目に多かったのは、リハビリ以外の業務量が多いことでした。
たしかに、「STの仕事ってリハビリ以外がほとんどでは?」と思った記憶があります。
病院の具体例としては、
- 委員会参加
- 実習生指導
- 症例発表
- 学会参加
などですね。
加算の関係もあるので仕方ないとは思いますが、リハビリをバリバリこなしたい方にとっては余計な業務が多すぎると感じます。
3位:サービス残業が多い
言語聴覚士が退職する理由として3番目に多かったのは、サービス残業が多いことでした。
人事としては耳が痛いです。
言語聴覚士に限らず、リハビリ職は「サービス残業が当たり前」な雰囲気があります。
17:30を過ぎてから残業代がつかない「勉強会」や「症例発表」を始めるのがデフォですからね。
リハビリ職は「令和」とは思えない働き方をしているので、辞める人は多いです。
4位:人間関係が無理
言語聴覚士が退職する理由として4番目に多かったのは、人間関係が無理ということでした。
人間関係を掘り下げたところ、
- 上司と気が合わない
- 看護師がうざい
- 医師が使えない
という3つが上から順に多かったです。
ちなみに、同僚に不満があって辞める人はほとんどいませんでした。
5位:やりたいことができない
言語聴覚士が退職する理由として5番目に多かったのは、やりたいことができないことでした。
特定の分野や疾患の治療がしたくて入社したのに、入社前の話とは違ってリハビリさせてもらえないということです。
ここまでやる気がある言語聴覚士は珍しいですが、やりたいことができないから辞めるSTもいます。
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言語聴覚士はやめとけ?STはやめたほうが良いのか
結論からいうと、ケースバイケースなのでなんともいえません。
言語聴覚士の仕事に魅力があり、やりがいを感じる人ならば目指すべきでしょう。
反対に、患者さんが回復する様子に興味がないし、人と関わるのが苦手な人ならやめたほうがいいはずです。
給料が安いうえに昇給もほとんどないとなると、余裕がない生活しか送れないかもしれません。
おいしいものを食べて、良いものを身に着けるような生活を求める人には、言語聴覚士は向いていないでしょう。
一方、給料はほどほどでいいから安定した職に就きたい人にとっては、言語聴覚士は天職といえます。
なぜなら、言語聴覚士はどこにいっても求人があるし、将来性がある職種だから。
安定を最重視するならば、言語聴覚士は向いています。
ここまでやる気がある言語聴覚士は珍しいですが、やりたいことができないから辞めるSTもいます。
言語聴覚士はやめとけ?STの良いところ
ここでは、言語聴覚士の良いところをピックアップしました。
今後の需要は増えていく職種なので、魅力を感じるかどうか確認してみてください。
- 安定している
- 世間体が良い
- 転職しやすい
1.安定している
言語聴覚士は医療系の専門職(有資格)なので、クビになることがありません。
自分の希望で辞める場合や国がつぶれない限り、無職になることはありえないでしょう。
給料は上がりにくいし多くありませんが、下がらないしもらえないこともありません。
安定を求める人には非常に魅力的な職種でしょう。
2.世間体が良い
言語聴覚士は、世間体としてはかなり良いのが魅力的です。
理学療法士と作業療法士も評判が良いので、医療専門職そのものが世間で上に見られがちなのでしょう。
高給取りと思われやすい点も、世間体の良さに一躍買っています。
3.転職しやすい
言語聴覚士や理学療法士、作業療法士は医療系専門職なので転職しやすいです。
職場を変えてSTを続けることもできますし、STを辞めて一般職に挑戦するという選択もできます。
病院人事目線からいわせてもらうと、一般職への転職をおすすめします。
言語聴覚士→一般職→言語聴覚士というキャリアの方には、相場より高めの給料で交渉します。
経験やキャリアという面でも、転職して自分の市場価値を高めることが有効でしょう。
詳細は、言語聴覚士の転職先は一般企業もアリ?【転職先の実例と注意点】でまとめているので参考にしてください。
言語聴覚士はやめとけ?STに向いている人の特徴3つ
ここでは、言語聴覚士に向いている人の特徴を3つご紹介します。
1つでも当てはまったら、言語聴覚士をもう少し続けたほうが良いかもしれません。
- 勉強が嫌いじゃない人
- やりがいを多少は感じている人
- 目的があって言語聴覚士になった人
1.勉強が嫌いじゃない人
勉強が嫌いじゃない人は、言語聴覚士に向いています。
なぜなら、言語聴覚士の仕事は同じものなんて1つもないから。
患者さんごとに同じ疾患でも向き合い方は変わるので、常に勉強する姿勢があって改善できる人がSTに向いています。
2.やりがいを多少は感じている人
言語聴覚士の仕事に少しでもやりがいを感じているなら、向いていると言えます。
STの業務は一般職とは大きく違うので、適性がないとやりがいを感じられません。
少しでもやりがいを感じているなら、言語聴覚士の適性があるので向いていると言えます。
3.目的があって言語聴覚士になった人
目的があって言語聴覚士になった人は、STに向いているでしょう。
適性がある・ないという話ではなく、言語聴覚士という職種に対する熱量があるためです。
適性がなくても熱量があればカバーできますし、大きく成長することもできます。
目的があって言語聴覚士になった人は、後悔しないためにSTを続けた方が良いでしょう。
言語聴覚士はやめとけ?STの業務が嫌なら辞めたほうがいい
最後に、言語聴覚士が嫌ならやめちゃえば?という話をします。
私が人事になって思ったことは、リハビリ職の人は自分に合っていないのに続けている人が多いということです。
それもそのはずなんですよね。
リハビリ職は国家資格に合格して、他の職種(一般職)を経験しないまま言語聴覚士(またはPTやOT)になります。
本当に言語聴覚士という職種、業務内容があっているのか知らないまま、働いているというわけです。
もし、あなたが言語聴覚士として働いていて、違和感や辛さ・不安を感じているならば一般企業を視野に転職することをおすすめします。
なぜなら、適性がないSTを無理して続けている可能性があるし、無理して頑張っても辛いだけだから。
STは転職に強く、出戻りしやすいというメリットがあるので失敗リスクが少ないです。
一般職になってみて「やっぱりSTが向いてる!」と思ったらやり直すことができます。
少なくとも、今抱えている不安や辛さをなくせるので、行動する価値はありますよ。
まずは言語聴覚士としての求人をチェックして、よさそうな求人がなかったら一般職の求人もご確認ください。
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筆者はこれまで回復期病院の人事として、300人以上の転職サポートと採用をしてきました。 私自身の転職経験は、一般職から一般職への二度しかありませんが、仕事を通して30社以上の転職サイト・転職エージェントを利用した経験があります[…]
1年目でSTを辞めてもいい理由は、言語聴覚士を1年目で辞めたいは甘えじゃない!新人が堂々と辞められる理由でまとめていますが、辞めるなら早くしないと損をします。
言語聴覚士はやめとけ?辞めたの選択肢は6つ
ここでは、言語聴覚士を辞めた後の選択肢を6つご紹介します。
「言語聴覚士を辞めたら終わりですか?私はもうだめですか?」と思ってしまう方、ご安心ください。
言語聴覚士を辞めた後の選択肢は複数ありますし、一般企業に転職することだってできます。
具体的な退職後の選択肢は以下の通りです。
- 言語聴覚士として転職する
- 言語聴覚士の資格を活かせる一般企業に転職する
- 言語聴覚士資格に関係ない一般企業に転職する
- 非常勤アルバイトでゆるーく生きる
- フリーターになる
- 起業する
①~③の選択をする言語聴覚士が多かったです。
働きすぎて疲れてしまった方や、少しゆっくりしたいという方は④と⑤という道があります。
少子高齢化社会から、超高齢化社会に移行するに伴ってビジネスを始める言語聴覚士もいます。
言語聴覚士を辞めた後の選択肢は豊富にあるので、今の職場や職種に固執しなくて大丈夫ですよ。
詳細は、言語聴覚士を辞めた後はどうなる?【退職後の心配は不要な3つの理由】でまとめているので参考にしてください。
言語聴覚士(ST)はやめとけ?:まとめ
言語聴覚士の現実と本音からやめとけといわれる理由を考察というテーマでまとめました。
繰り返しになりますが、言語聴覚士は給料が安いのに業務量は多いです。
言語聴覚士の退職理由は、この2つがほとんどですからね。
- 職場の人間関係が嫌
- 言語聴覚士の資格を無駄にしたくないけど、給料には不満がある
転職すれば人間関係はリセットされるので、スッキリします。
給料に関しては昇給・昇進に頼らず、転職を重ねてキャリアアップすれば、年収600万円は超えますからね。
転職を重ねたり、副業で収入をカバーすれば言語聴覚士の欠点をカバーできるので、行動することが重要です。
以下の記事では、少しでも早く転職するための転職サイト・エージェントをご紹介しています。
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今回は以上です。