このような悩みを解決します。
今回は、「理学療法士の年収が低いけど、オワコンではない」というテーマです。
最後まで読めば、PTの将来性はあるのか、なぜオワコンといわれているのかがわかります。
また、これからPTを目指す方には、【現役PTに聞いた】理学療法士の仕事は辛い?大変といわれる6つの理由もおすすめです。
軽く読むだけで、PTの実態がわかりますよ。
それでは、本題に入りましょう。
理学療法士の平均年収は低いという現実
結論からいうと、理学療法士の年収は日本人の平均年収と比べて低いです。
具体的に、どのくらい違うのか調査したところ、73万円も差がありました。
求人ボックス(PT平均年収) によると、理学療法士の平均年収は、2022年7月時点で357万円ということがわかります。
これに対し、2021年9月に国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態調査統計」によれば、現在の日本人の平均年収は約430万円とのことでした。
PTの平均年収(357万円)が、日本人の平均年収(430万円)を73万円も下回っていることがわかります。
PTの給料が安い理由は、理学療法士と作業療法士の給料が安い5つの理由【給料を上げる方法も紹介】 でまとめていますが、国と病院(施設)側の都合が大きいので給料が増える可能性は低いです。
ただし、きちんと給料を上げる努力をすれば、年収500万円以上は余裕でいきますよ。
PTの平均年収が低いといっても、給料を上げる方法はあります。
理学療法士の年収は低いという現実!負け組やオワコンといわれる3つの理由
「理学療法士はやめとけ」といわれるように、理学療法士は本当にオワコンなのでしょうか?
本章では、理学療法士がオワコンといわれる理由を解説します。
PTはオワコンといわれる理由
- PT数が飽和して就職が難しくなったから
- 高齢者「数」はすでにピークを迎えたから
- 労働環境が悪いから
1.PT数が飽和して就職が難しくなったから
理学療法士がオワコンといわれる理由の1つ目は、PT数が飽和したことで就職が難しくなったからです。
高齢者の増加に備えて、平成11年にリハビリ職養成施設の規制緩和が行われました。
その結果、誰でも簡単にリハビリ職(PT/OT/ST)になれるようになったので、PT数は年々増加し続けています。
出典:厚生労働省(理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について)
誰でもPTになれる環境になったことは喜ばしいことですが、同時に競争率を上げる結果になりました。
競争率が高ければ高いほど、採用される可能性は下がりますよね。
供給が増えすぎていることが、PTはオワコンといわれる理由の1つです。
2.高齢者「数」はすでにピークを迎えたから
「理学療法士はオワコン」の根拠として、高齢者数はすでにピークを迎えたというものもあります。
「PT数は増えているのに、高齢者数は減っているのだから将来性がない」ということでオワコンといっているようです。
以下は内閣府資料の引用ですが、総人口に対する高齢者「率」は、2065年まで上がることがわかっています。
出典:内閣府(高齢化の状況)
高齢者「数」のピークは2016年前後であっていますが、少子化の影響で高齢者「率」は増加し続けることがわかります。
PTはオワコン説の根拠である「高齢者数の増加」は否定できましたが、真に受ける人がいるのが現状です。
3.労働環境が悪いから
理学療法士がオワコンといわれる理由の3つ目は、労働環境が悪いからです。
誤解を生みそうですが、
- 年収は低いのに業務量が多い
- 休みにくい
- 年功序列が色濃く残っている
- サービス残業が当たり前
- 休日は学会や研究会がある
などの理由から、労働環境が悪いと言っています(向いている方もいるようですが)。
ちなみに、「理学療法士とやめとけ」と一部で騒がれていることをご存じでしょうか?
詳細は、「理学療法士はやめとけ」と言われる理由と現役PTの見解を解説をご覧ください。
理学療法士はオワコンといわれる理由が、より深くわかります。
理学療法士は年収低いから負け組?否定する根拠は3つ
前章では、「理学療法士はオワコン」といわれる理由をお伝えしました。
しかし、元人事からすると、PTはオワコンでないと根拠をもっていえるのでご紹介します。
PTはオワコンではないといえる根拠
- 高齢化「率」は上昇し続けるから
- 飽和しているのは病院だけだから
- 転職に強いから
1.高齢化率は上昇し続けるから
理学療法士がオワコンではないといえる理由の1つ目は、高齢化率が上昇し続けるからです。
簡単にいうと、高齢者数は減っていくが、少子化の影響で高齢者率は高まるのでPT需要は続くということですね。
高齢化率の上昇については、すでにお伝えした通りなので、詳しい解説は省きます。
2.飽和しているのは病院だけだから
理学療法士がオワコンではないといえる理由の1つ目は、PTが飽和しているのは病院だけだからです。
下記の表を見れば、一発でわかります。
会員数 | 割合 | |
---|---|---|
病院 | 73,947 | 56.9% |
診療所 | 10,481 | 8.1% |
その他医療施設 | 190 | 0.1% |
医療福祉中間施設 | 8,501 | 6.5% |
老人福祉施設 | 2,097 | 1.6% |
地域包括支援センター | 700 | 0.5% |
身体障害者福祉施設 | 218 | 0.2% |
児童福祉施設 | 818 | 0.6% |
精神障害者社会復帰施設 | 5 | 0.1%以下 |
知的障害者福祉施設 | 11 | 0.1%以下 |
障害者自立支援施設 | 109 | 0.1%以下 |
教育・研究施設 | 2,784 | 2.1% |
行政関係施設 | 378 | 0.3% |
スポーツ・フィットネス 関連施設 | 99 | 0.1%以下 |
その他 | 29,538 | 22.7% |
(出典:日本理学療法士協会「統計情報」2021年11月11日、帝京平成大学HP)
全体の56.9%のPTが病院に勤めていることがわかります。
理学療法士が飽和しているからオワコンといえるのは「病院就職」を希望する場合であり、病院以外で就職するなら需要は余裕でありますよ。
あくまでも筆者の経験上ですが、ろくに調べもしない学生が、思考停止で病院勤務を希望している気がします。
PTといえば病院でしょ?と、アホ丸出しな学生が多かったです。
養成所の量産により、質が悪い教育者が増え、学生の質も低下したのでしょう。
3.転職に強いから
理学療法士がオワコンではないといえる理由の3つ目は、転職に強いからです。
PTは腐っても「医療系国家資格」なので、勤務地を選ばなければいくらでも就職先を選べるという強みがあります。
仮に、転職に失敗して「やっぱり元職場がいい!」となったとしても、PT(リハビリ職)は比較的容易に出戻りできます。
転職先選びに困らず、失敗したらやり直せるのは医療系国家資格だけでしょう。
もし、理学療法士になったばかりで辛いと感じている方は、絶望する必要なんてないのでご安心ください。
詳細は、理学療法士を1年目で辞めたい…【安心して辞めてよい3つの理由】でまとめていますが、PTに向いていないと早めに気づけた人はラッキーだからです。
理学療法士の年収が安い!PTが年収を高める方法3選
ここでは、理学療法士が年収を高める方法を3つご紹介します。
PTが給料を上げる方法は3つしかありません。
- 一般職に転職する
- 出来高制の職場に転職する
- 副業する
1.一般職に転職する
理学療法士が年収を高める方法の1つ目は、一般職に転職することです。
PT→PTでもいいのですが、個人的にはPT→一般職→PTとキャリアチェンジすることをおすすめします。
PTの資格を使わずに一般職を進める理由は、以下の2つです。
- PTが向いているかわかるから
- ただの理学療法士との差別化になるから
PT経験者は、PTという職種しか経験したことがない人がほとんどです。
つまり、本当に理学療法士という職種が向いているのかわからないまま、PTとして勤務していることになります。
そこで、短期間でも一般職を経験すれば、本当にPTが向いているのかわかるというわけです。
一般職の方が向いているとわかればそのまま続ければいいし、PTが向いていると思ったらPTに出戻りすればいいでしょう。
PTは一般職がするような、
- 電話対応
- 名刺交換
- 提案書作成
- 営業
などの経験がないので、扱いにくい部分があります。
その点、一般職経験があるPTなら普通のPTより幅広く活躍できるので、好条件を提示するというわけです。
PTの業務に違和感を覚えていたり、給料に不満があったりする方は、一般職への転職を選択肢に入れましょう!
2.出来高制の職場に転職する
理学療法士が年収を高める方法の2つ目は、出来高制の職場に転職することです。
こちらはPTを継続して、職場だけを変えるというイメージですね。
訪問リハビリなど、需要の高まりから常に人手不足な求人は好条件の場合が多いですよ。
なぜなら、契約形態が出来高制ではないためです。
PTを継続して稼ぎたいなら、出来高制の職場に転職しましょう。
理学療法士が転職するタイミングは、以下の記事でまとめています!
理学療法士を辞めるならいつがいい?ベストなタイミングは? 理学療法士が転職するなら最適なタイミングはいつ? このような悩みを解決します。 [afTag id=5016] 理学療法士を辞めるならどのタイ[…]
>>>理学療法士を辞めるタイミングは?ベストな時期と円満退職のコツ
登録・利用が無料なのに、好条件の非公開求人や、転職エージェントしか持っていない求人があるためです。
とりこぼしなく、効率的に転職するためにエージェントの活用をおすすめします。
転職のやり方や注意点は、リハビリ職(PT/OT/ST)におすすめの転職サイト・エージェントでまとめました。
3.副業する
老後は年金に頼れないですし、企業が社員を守る時代は終わったので、副収入が得られる副業は早めにやっておいた方がよいでしょう。
副業は本業(PT)で得た知識をアウトプットするというイメージなので、始めやすいです。
また、副業で得た知識を本業に還元できるというメリットもあるので、やればやるほどPTとしての価値も高まりますよ。
まとめ:理学療法士の年収が低いという現実。転職か副業が必須になるでしょう
最後に、本記事の内容をまとめます。
結論からいうと、理学療法士の年収は日本人の平均年収と比べて低いです。
理学療法士がオワコンといわれる理由は以下の3つでした。
PTはオワコンといわれる理由
- PT数が飽和して就職が難しくなったから
- 高齢者「数」はすでにピークを迎えたから
- 労働環境が悪いから
PTはオワコンでないといえるのは、以下の3つが根拠です。
PTはオワコンではないといえる根拠
- 高齢化「率」は上昇し続けるから
- 飽和しているのは病院だけだから
- 転職に強いから
PTが給料を上げる方法は3つしかありません。
- 一般職に転職する
- 出来高制の職場に転職する
- 副業する
PTの業務に違和感を覚えていたり、キャリアアップしたい方には転職がおすすめです。
転職エージェントを活用すれば、効率よく転職できるでしょう。
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今回は以上です。